一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いは?実際に専属専任で家を売って感じた選び方

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3種類の媒介契約書を比較しながら家の売却方法を考える男性

家を売ることになって、不動産会社から「一般媒介・専任媒介・専属専任媒介のどれにしますか?」と聞かれても、最初は違いがよく分からないと思います。

私もそうでした。言葉は似ていますし、説明を聞くとどれもそれなりに良さそうに聞こえます。

実際、私は自宅の売却を三井のリハウスの専属専任媒介で始めました。最初は「大手だし、査定や販売の仕組みもしっかりしていそうだから、1社に任せたほうが安心だろう」と考えていました。

ところが、5月から売却を始めて数か月たっても、内覧は2件。そこで初めて、媒介契約の種類を選ぶことと、家が実際に売れることは別の話だと実感しました。

媒介契約は「一番強く任せられるものを選べば安心」ではありません。
自分がどこまで任せたいか、どのくらい状況を把握したいか、その会社を本当に信頼できるかで選ぶものだと思います。

この記事では、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いを整理しながら、私自身が専属専任媒介で売却活動をして感じたことも含めて、できるだけ実感のある形でまとめます。

まだ売却そのものの流れがよく分からない方は、先に「家を売りたい。でも何から始めればいい?初めての不動産売却を7ステップで徹底解説」を読むと全体像がつかみやすくなります。

この記事でわかること

  • 一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違い
  • レインズ登録や業務報告の違い
  • 自分で買主を見つけた場合の扱い
  • それぞれの契約が向いているケース
  • 私が専属専任媒介で売却して感じたこと
  • 媒介契約を結ぶ前に確認したいポイント

そもそも媒介契約とは?

媒介契約は、家や土地を売るときに、不動産会社へ買主探しや売買契約までのサポートを正式に依頼するための契約です。

ここで決めるのは、単に「この会社にお願いします」ということだけではありません。

  • 他の不動産会社にも同時に依頼できるか
  • 自分で買主を見つけてもよいか
  • レインズへ登録する義務があるか
  • 売却活動の報告をどのくらい受けられるか

こうした違いがあるため、契約書にサインする前に3種類の特徴を知っておいたほうが安心です。

3種類の媒介契約を比較するとこうなる

比較項目一般媒介専任媒介専属専任媒介
複数の不動産会社へ依頼できるできないできない
自分で見つけた買主との直接取引できるできるできない
レインズ登録契約内容による義務あり義務あり
レインズ登録期限法定期限なし契約翌日から7日以内契約翌日から5日以内
業務報告法定義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上

専任媒介・専属専任媒介では、指定流通機構(レインズ)への登録や定期的な業務報告について法律上のルールがあります。東日本レインズでも、専属専任は1週間に1回以上、専任は2週間に1回以上の報告と案内されています。

東日本レインズ「媒介契約制度」

一般媒介|複数社に頼める自由さがある

一般媒介の一番分かりやすい特徴は、複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できることです。

例えば、大手の会社と地域密着型の会社の両方にお願いして、それぞれの買主ネットワークから探してもらうことができます。

一般媒介の良いところ

  • 複数社に売却活動を依頼できる
  • 会社ごとの反響を比較しやすい
  • 自分で見つけた買主とも契約できる
  • 1社に縛られにくい

「最初から1社だけに決めるのは少し不安」という人には分かりやすい選択肢です。

自由度が高いぶん、気をつけたいこともある

一般媒介は自由度が高い反面、売主自身が複数社との連絡や情報整理をする場面が増えます。

また、不動産会社側から見ると、販売活動をしても別の会社で成約する可能性があります。だからといって「一般媒介だと動いてくれない」と決めつけることはできませんが、各社がどのような販売活動をするのかは最初に確認しておきたいところです。

専任媒介|1社に任せながら、自分で買主を見つける余地を残す

専任媒介は、売却を依頼する不動産会社を1社に絞る契約です。ただし、自分自身で買主を見つけた場合は、その相手と直接契約することができます。

専任媒介ではレインズへの登録義務があり、契約締結日の翌日から7日以内(休業日等を除く)に登録するルールがあります。また、2週間に1回以上、売却活動の状況について報告を受けます。

専任媒介の良いところ

  • 窓口を1社にまとめられる
  • レインズへの登録義務がある
  • 定期的に売却活動の報告を受けられる
  • 自分で買主を見つけた場合の取引余地も残る

複数の会社とやり取りするのは大変だけれど、専属専任ほど強く縛られたくない、という人には検討しやすい契約です。

専属専任媒介|1社にかなり深く任せる契約

専属専任媒介も、依頼できる不動産会社は1社だけです。専任媒介との大きな違いは、自分で買主を見つけた場合でも直接取引できないことです。

レインズへの登録は契約締結日の翌日から5日以内(休業日等を除く)。また、不動産会社からは1週間に1回以上の業務報告があります。

私が実際に選んだのは専属専任媒介でした

私は最初の売却活動で、この専属専任媒介を選びました。

理由は難しいものではなく、「大手の会社だし、1社に任せたほうがしっかり責任を持って動いてくれそう」と感じたからです。初めての家の売却だったので、窓口が一本になることにも安心感がありました。

でも、実際に5月から売却を始めてみると、数か月たっても内覧は2件。そこで私は、専属専任媒介だからといって自動的に売却がうまく進むわけではない、と当たり前のことに気づきました。

実際、査定の出し方や近隣の競合物件の調査、掲載ページのアクセス数の推移など、調査・分析面はしっかりしていると感じています。ただ、私の担当者については営業面がやや受け身で、価格変更や写真の差し替えなど、こちらから提案して動いてもらう場面がありました。

この経験があったので、私は契約満了を一つの区切りとして、今の会社を継続するのか、地域に強い別の会社へ変えるのかを比較して考えるようになりました。

専属専任を選んだこと自体が失敗だったとは思っていません。
ただ、調査力がある会社でも、担当者から次の一手が積極的に出てくるとは限らない。契約後も売主側が販売活動を見ていく必要がある——これが私の実感です。

自己発見取引の違いは、意外と見落としやすい

自己発見取引とは、不動産会社ではなく売主自身が買主を見つけるケースです。

例えば、近所の知人から「その家を売るなら買いたい」と話が出ることもあります。

  • 一般媒介:自己発見取引ができる
  • 専任媒介:自己発見取引ができる
  • 専属専任媒介:自己発見取引はできない

実際には買主を自分で見つける機会がない人も多いと思います。ただ、親族・知人・近所の人などから話が出る可能性があるなら、この違いは契約前に知っておいたほうがよいでしょう。

レインズ登録は「登録されたから安心」で終わらせない

レインズは、不動産会社同士が売却物件の情報を共有するための仕組みです。

専任媒介・専属専任媒介では、不動産会社は物件をレインズへ登録し、登録後は売主へ登録証明書を渡すことになっています。売主側も登録内容や取引状況を確認できます。

東日本レインズ「住まいを売りたい」

私も売却活動を経験して感じましたが、レインズに載っていること自体と、家が魅力的に売り出されていることは同じではありません。

写真、物件説明、価格、問い合わせ対応、他社からの問い合わせへの対応など、売れるまでにはその後の動きがたくさんあります。

媒介契約を選ぶとき、私はこの5つを確認したい

もし今の私が、売却を始める前の自分にアドバイスするなら、契約名だけではなく次の5つを確認するように言います。

  1. この会社は私の家を誰に売ろうとしているのか
  2. 掲載写真や広告はどのように作るのか
  3. 問い合わせが少ないとき、何を改善するのか
  4. 業務報告では具体的に何を教えてもらえるのか
  5. 契約期間が終わったとき、継続する判断材料は何か

契約書上のルールももちろん重要です。でも実際に売却が始まると、私が一番気になったのは「今、どんな反響があって、次に何をするのか」でした。

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介、どれが向いている?

一般媒介が合いやすい人

  • 複数の会社を同時に試したい
  • 自分でも会社ごとの動きを比較したい
  • 1社だけに任せることに不安がある
  • 売却状況を自分で管理するのが苦にならない

専任媒介が合いやすい人

  • 窓口を1社にまとめたい
  • 定期的に報告を受けたい
  • 自己発見取引の可能性は残しておきたい
  • 担当会社にある程度の信頼を置けている

専属専任媒介が合いやすい人

  • その会社・担当者にかなり納得している
  • 売却活動を1社に完全に一本化したい
  • 毎週進捗を把握したい
  • 自分で買主を探す予定がない

「専属専任が一番手厚いから一番良い」「一般媒介のほうが会社同士が競争するから必ず良い」と単純には言えません。

契約形態だけでなく、その会社と担当者に本当に任せられるかも一緒に見たほうがいいと思います。

契約満了は、依頼先を見直すタイミングにもなる

売却が思うように進まないと、「ここまでお願いしたのだから、もう少し続けたほうがいいかな」と考えてしまいます。

私もそうでした。

ただ、同じやり方を続けて状況が変わらないのであれば、契約満了は一度冷静に見直す良いタイミングでもあります。

  • 問い合わせはどれくらいあったか
  • 内覧につながった件数はどうだったか
  • 価格変更以外の提案があったか
  • 写真や広告は改善されたか
  • 担当者から十分な説明を受けられたか

媒介契約を続けるか見直すか迷ったときに、私が実際に確認している項目は、「家が売れないときに見直すこと|値下げする前に確認したい7項目【実体験】」にまとめています。

契約満了後の会社候補を探す方法として、一括査定も選択肢に入れています。今の会社を続けるか迷っている私が、一括査定をどう使おうとしているかも書いています。

実際に「今の会社を続けるか、満了で変えるか」で迷っている方へ。私が他社比較を決めた理由と、契約満了前に確認していることは、「不動産会社を変えたい。でも本当に変えていい?」にまとめました。

私はこうした点を整理して、継続するか、別の会社へお願いするかを考えることにしました。

不動産会社の比較方法については、「家を売る不動産会社はどう選ぶ?失敗しない会社・担当者の見極め方12項目」でも詳しくまとめています。

よくある質問

Q.専属専任媒介なら、専任媒介より売れやすいですか?

契約の種類だけで売れやすさが決まるわけではありません。価格設定、物件自体の条件、写真・広告、担当者の販売活動、市況など複数の要素が影響します。

Q.一般媒介なら何社でも依頼できますか?

複数社に依頼できます。ただし、数を増やすほど連絡や情報管理も増えるため、実際にやり取りできる範囲で考えるのが現実的です。

Q.専任・専属専任のレインズ登録は確認できますか?

登録後、不動産会社から登録証明書が交付されます。売却依頼主向けの確認画面で登録内容や取引状況を確認できる仕組みもあります。

Q.媒介契約の更新は自動ですか?

専任媒介・専属専任媒介の更新は、依頼者の意思を確認して行うものです。契約満了前には、それまでの販売活動を一度振り返ってから判断したほうがよいでしょう。

まとめ|私が今なら「契約の種類」より先に見ること

実際に専属専任で売却を始めてみて感じたのは、専属専任・専任・一般媒介のどれを選ぶかだけでは結果は決まらない、ということでした。

今ならまず、不動産会社にこう聞きます。

「この契約にした場合、私の家を具体的にどう売っていきますか?」

その答えに納得できたうえで、自分が求める自由度や報告頻度に合う媒介契約を選ぶ。これが、実際に売却活動を経験した今の私なら取る順番です。

査定額の見方で迷っている方は、「家の査定額はなぜ違う?高い査定に飛びつく前に知るべき3つの価格と見極め方」も参考にしてください。


参考情報
・東日本不動産流通機構「媒介契約制度」
・東日本不動産流通機構「住まいを売りたい」
・国土交通省「宅地建物取引業法関係」

※本記事は一般的な制度の説明と、筆者自身の売却活動で感じたことをまとめたものです。個別の契約条件は媒介契約書を確認し、不明点は契約する不動産会社へ確認してください。