家を売りたい。でも何から始めればいい?初めての不動産売却を7ステップで徹底解説

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家の売却を考えながら戸建住宅を見つめる女性

「家を売りたい」と思っても、最初に何をすればいいのか分からない。どこの不動産会社に相談すればいいのか、住宅ローンが残っていても売れるのか、いくらで売れるのか、先に引っ越すべきなのか——。

初めての不動産売却では、分からないことが多くて当然です。しかも家は金額が大きいため、「とりあえず査定をお願いして、その会社に任せる」という進め方をすると、あとから判断に迷いやすくなります。

私が今振り返って思うのは、最初に決めるべきなのは「どの不動産会社に任せるか」ではなかった、ということです。

まず確認するのは、①いつまでに売りたいか、②住宅ローンはいくら残っているか、③売却後にいくら手元に残したいか。この3つです。

この3つが分かるだけで、「いくらで売る必要があるのか」「価格を優先するのか、早さを優先するのか」「どんな不動産会社を選ぶべきか」がかなり見えやすくなります。

この記事では、家を売りたいと思った人が迷わないように、売却の流れを「今やること」の順番で整理します。

この記事でわかること

  • 家を売りたいと思ったとき、最初に確認する3つのこと
  • 査定額だけで不動産会社を選ばないための比較ポイント
  • 媒介契約・売却活動・契約・引渡しまでの全体の流れ

私自身も、売却を始めてから「思っていたより簡単じゃない」と感じました

私の場合、自宅を5月から売りに出しました。最初の売出価格は3,640万円。その後、反響を見ながら3,590万円、3,540万円、そして現在は3,490万円まで見直しています。

依頼しているのは三井のリハウスで、専属専任媒介です。査定の出し方や近隣の競合物件の調査、掲載後のアクセス数の変化など、数字を使った調査や分析はしっかりしていると感じています。

一方で、私が実際に感じた課題は担当営業の動き方でした。こちらから提案しないと次の一手が出てこないことがあり、値下げや掲載写真の差し替えも私のほうから提案してきました。数か月で内覧が2件という状況だったこともあり、「任せて待つだけではなく、売主側も販売活動を見ていかないといけない」と考えるようになりました。

これはあくまで私の担当者とのやり取りで感じたことで、会社全体を評価するものではありません。ただ、初めて家を売る立場としては、価格・写真・反響・担当者の動きを一つずつ確認することが大切だと実感しています。

家を売りたいと思ったら、まず30分でこの3つを確認する

いきなり査定サイトを開く前に、メモ帳でもスマートフォンでもいいので、次の3項目を書き出してみてください。

  1. いつまでに売りたいか
  2. 住宅ローンの残高はいくらか
  3. 売却後に最低いくら残したいか

「なるべく高く売りたい」だけでは売却方針は決まりません。半年〜1年かけても価格を優先するのか、転勤・住み替え・離婚・相続などの事情で3か月程度を目安に進めたいのかによって、売出価格や不動産会社の選び方は変わります。

また、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。住宅ローンの返済、仲介手数料、登記関係の費用、契約書の印紙税などを差し引いて考える必要があります。

STEP1|「なぜ売るのか」と「いつまでに売りたいか」を決める

最初に整理したいのは、売却の目的です。

  • 住み替えのため
  • 転勤や転職のため
  • 住宅ローンの負担を減らしたい
  • 離婚に伴い家を処分したい
  • 相続した家を売りたい
  • 空き家になっている
  • 今の家が広すぎる・狭すぎる

理由によって優先順位は変わります。特に意識したいのは、「価格・売却期間・手間」の3つを全部最大化するのは難しいということです。

たとえば「できる限り高く売りたい」のであれば、相場より少し強気の価格から反応を見ながら調整する選択肢があります。一方、売却期限が決まっている場合は、最初から相場とのズレを小さくした価格設定のほうが現実的です。

ここで「絶対にこの価格以下では売らない」と決めるより、希望価格・現実的な価格・最低ラインの3段階を考えておくと、その後の値下げ交渉でも慌てにくくなります。

STEP2|住宅ローン残高と「手取り額」を確認する

住宅ローンが残っていても、家を売却すること自体は珍しくありません。ただし、売却時には通常、残っている住宅ローンを完済し、金融機関が設定している抵当権を抹消して買主へ引き渡します。

そのため、まず金融機関のアプリ、返済予定表、残高証明書などで現在のローン残高を確認してください。

売却後に残るお金は、ざっくり次のように考えます。

売却価格 − 住宅ローン残高 − 売却にかかる諸費用 = おおよその手取り額

たとえば「3,500万円で売れそう」という査定が出ても、ローンが3,000万円残っており、さらに諸費用がかかるなら、手元に500万円残るわけではありません。

逆に、想定される売却価格よりローン残高のほうが大きい場合は、不足分を自己資金で補えるかなどを早めに確認する必要があります。売買契約を結んでから資金不足に気づくより、査定段階で把握しておくほうが安全です。

STEP3|「査定額」ではなく「相場」を知る

次に行うのが価格の確認です。ここで大切なのは、不動産会社が提示する査定額と、実際に売れる価格は同じではないということです。

査定は「この条件ならこのくらいで売却できるのではないか」という不動産会社の意見です。実際の成約価格は、立地、築年数、建物状態、土地形状、前面道路、競合物件、売却時期、買主との交渉などで変わります。

まず自分でも周辺相場を見ておくと、不動産会社の説明が妥当か判断しやすくなります。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、地域ごとの不動産取引価格や成約価格などを確認できます。

国土交通省「不動産情報ライブラリ」

査定は1社だけで決めない

査定を依頼するなら、最初から1社に決め打ちせず、複数社の説明を比較するのがおすすめです。

比較するのは査定金額だけではありません。

  • 査定額の根拠となる成約事例
  • 現在売り出されている競合物件
  • 想定される購入者層
  • どの媒体に掲載するのか
  • 写真や広告をどう見せるのか
  • 価格変更を判断するタイミング
  • 問い合わせや内覧が少ない場合の対策

「一番高い査定額を出した会社=一番高く売ってくれる会社」ではありません。高い査定額に納得できる根拠があるかを確認することが重要です。

査定額の違いをどう見ればいいのか詳しく知りたい方は、「家の査定額はなぜ違う?高い査定に飛びつく前に知るべき3つの価格と見極め方」で、査定価格・売出価格・成約価格の違いから整理しています。

STEP4|不動産会社は「知名度」より売り方を比較する

大手だから安心、地域密着だから強い、と会社名だけでは決めきれません。私なら「この家をどう売るつもりなのか」を具体的に話してくれるかを見ます。

不動産会社の比較方法をさらに詳しく知りたい方は、「家を売る不動産会社はどう選ぶ?失敗しない会社・担当者の見極め方12項目」で、査定額・販売戦略・担当者・レインズまで具体的に解説しています。

面談では、次の質問をしてみてください。

  1. この価格で売れる根拠は何ですか?
  2. 過去にこの地域・この物件種別を売った実績はありますか?
  3. 想定している購入者はどんな人ですか?
  4. SUUMOやHOME’Sなど、どこに掲載しますか?
  5. 写真撮影は誰が行いますか?
  6. レインズにはいつ登録しますか?
  7. 問い合わせが少なければ、何週間後に何を見直しますか?
  8. 担当者が休みのときの対応はどうなりますか?

この質問に対し、抽象的な回答ではなく「このエリアでは○○という層が多い」「近隣ではこの価格帯の成約がある」「反響がなければ2〜3週間で写真・価格・広告を見直す」と具体的に話せる担当者のほうが、売却活動をイメージしやすくなります。

STEP5|媒介契約は3種類。違いを知らずにサインしない

不動産会社に正式に売却を依頼するときは「媒介契約」を結びます。国土交通省も、媒介契約には主に3つの類型があると案内しています。

  • 一般媒介契約:複数の不動産会社へ依頼できる
  • 専任媒介契約:原則1社に依頼するが、自分で見つけた買主との契約は可能
  • 専属専任媒介契約:原則1社に依頼し、自分で見つけた相手との直接契約にも制限がある

専任媒介契約では指定流通機構(レインズ)への登録や業務報告についてルールがあり、標準媒介契約約款では、専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上の業務報告などが定められています。

国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」

どの媒介契約が合うかは、物件や売り方で変わります。「専任だから安心」「一般なら広く売れる」と決めつけず、誰が実際に動くのか、情報をどう広げるのかまで聞いてから決めたいところです。

3種類の違いをもう少し詳しく知りたい方は、「一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いは?実際に専属専任で家を売って感じた選び方」で、私自身の売却経験も交えて整理しています。

STEP6|売却活動が始まったら「反響」を数字で見る

媒介契約を結んだら、広告掲載、購入希望者からの問い合わせ、内覧という流れに進みます。

ここでありがちな失敗が、「まだ売れないけど、そのうち売れるだろう」と何となく待ち続けることです。

見るべきなのは感覚ではなく、反響です。

  • 広告はきちんと掲載されているか
  • 写真は魅力的か
  • 閲覧数はあるか
  • 問い合わせ件数は何件か
  • 内覧は何件入ったか
  • 内覧後に断られた理由は何か
  • 競合物件に価格変更がないか

「閲覧は多いのに問い合わせがない」なら価格や物件情報の見せ方が原因かもしれません。「問い合わせはあるのに内覧にならない」「内覧はあるのに申込みがない」なら、それぞれ別の問題が考えられます。

値下げだけが改善策ではありません。写真の撮り直し、室内の整理、広告コメントの変更、掲載媒体の追加、内覧時の印象改善など、価格以外に改善できることもあります。

実際に売り出した後、反響が弱いときに何を順番に見直すかは、「家が売れないときに見直すこと|値下げする前に確認したい7項目【実体験】」で、私自身の価格変更や写真差し替えの経験も含めて詳しくまとめています。

内覧前に高額なリフォームは必要?

売却前に必ず大規模リフォームをする必要はありません。費用をかけても、その分を売却価格に上乗せできるとは限らないからです。

まず優先したいのは、不要品を減らす、玄関や水回りを清潔にする、照明をつけて明るく見せる、生活感を少し抑えるといった低コストの改善です。大きな修繕が必要な場合は、不動産会社と相談して「修繕して売る」「現状のまま価格に織り込んで売る」を比較しましょう。

STEP7|購入申込みから売買契約、決済・引渡しへ

購入希望者が現れたら、価格だけでなく、引渡し時期、手付金、住宅ローン利用の有無、残置物、設備の扱いなどの条件を確認します。

希望価格に近いからといって、すぐに金額だけで決める必要はありません。たとえば、買主の住宅ローン審査状況や希望する引渡し日によっては、別の条件のほうが売主にとって進めやすいこともあります。

売買契約後は、最終的に残代金の決済、住宅ローンの完済、抵当権抹消などの登記手続き、鍵の引渡しへ進みます。国土交通省が示す一般的な不動産売買取引の流れでも、価格査定・媒介契約・相手方探索・交渉・売買契約・決済・引渡しという順番が示されています。

売却後の税金も「売れてから考える」では遅い

家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、所得税や住民税の対象になることがあります。

一方、自宅(マイホーム)の売却では、一定の要件を満たすと、所有期間の長短にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。ただし、自動的に適用されるわけではなく、要件確認や確定申告が必要です。

国税庁「マイホームを売ったときの特例」

住まなくなってから時間が経っている家、共有名義、相続、店舗併用住宅などは扱いが変わることがあります。税金について不安がある場合は、契約前から税務署や税理士に確認しておくと安心です。

初めて家を売る人がやりがちな5つの失敗

1.一番高い査定額だけで不動産会社を決める

査定額が高いこと自体は悪くありません。ただし、その価格で売れる根拠が説明できなければ意味がありません。査定額ではなく、成約事例と販売戦略を比較しましょう。

2.売却価格=手元に残る金額だと思う

住宅ローン残高や諸費用を差し引く必要があります。住み替え資金に使う予定なら、特に「手取り額」で考えることが重要です。

3.不動産会社に任せきりにする

「問い合わせは何件か」「内覧後はどんな反応だったか」「競合物件はどう動いたか」。このあたりは定期的に聞いておいたほうが、次に何を変えるか考えやすくなります。

4.反響がないたびに、すぐ値下げする

価格は重要ですが、写真・広告・物件説明・販売範囲など、価格以外の原因もあります。まず「なぜ反響がないのか」を分解して考えましょう。

5.期限を決めずに売り続ける

売却活動が長期化すると、「いつまでこの価格で続けるのか」が曖昧になりがちです。最初から「1か月後」「3か月後」など、見直すタイミングを決めておきましょう。

住み替えの場合、「売ってから買う」「買ってから売る」どちら?

これは資金状況によって変わります。

売却を先にすると、いくら手元に残るか分かってから次の家を選べるため、資金計画は立てやすくなります。ただ、次の家が決まるまで仮住まいが必要になる可能性があります。

購入を先にすると、引っ越し後に空室状態で売却活動ができるため内覧対応はしやすくなりますが、現在の住宅ローンと新居の資金が重なるリスクがあります。

どちらかに正解があるというより、今のローン残高、自己資金、売却見込み額、次の家を買う時期を並べて、自分たちの資金計画に合うほうを選ぶ話だと思います。

今日やることチェックリスト

ここまで読んで「結局、今日は何をすればいい?」という方は、まず次の7つだけで十分です。

  • □ 売りたい理由を書く
  • □ いつまでに売りたいか決める
  • □ 住宅ローン残高を確認する
  • □ 売却後に最低いくら必要か考える
  • □ 国土交通省の不動産情報ライブラリで周辺相場を見る
  • □ 複数の不動産会社へ査定を依頼する
  • □ 査定額ではなく「根拠と売り方」を比較する

ここまでできれば、不動産売却の最初の一歩としては十分です。

よくある質問

Q.住宅ローンが残っていても売れますか?

売却は可能です。ただし、引渡し時には通常、住宅ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。まず残高と想定売却価格を確認しましょう。

Q.査定をお願いしたら、その会社と契約しないといけませんか?

査定を受けたからといって、その会社と媒介契約を結ぶ必要はありません。査定根拠や販売方針を比較してから依頼先を決めます。

Q.家が散らかっていても査定できますか?

査定自体は可能です。訪問査定では建物の状態も確認されますが、モデルルームのように片付けておく必要はありません。売却活動を開始するまでに、写真や内覧を意識して整理していけば大丈夫です。

Q.先にリフォームしたほうが高く売れますか?

必ずしもそうとは限りません。費用を回収できないこともあるため、大規模な工事を行う前に不動産会社へ相談し、現状売却と比較するのがおすすめです。

まとめ|家を売るときは「査定」より先に順番を整理する

家を売りたいと思ったとき、最初からすべてを理解している必要はありません。

大切なのは、順番を間違えないことです。

  1. 売却理由と期限を整理する
  2. 住宅ローン残高と手取り額を確認する
  3. 相場を調べ、複数社の査定を比較する
  4. 査定額ではなく販売戦略で不動産会社を選ぶ
  5. 媒介契約の違いを理解する
  6. 売却活動中は反響を数字で確認する
  7. 契約・引渡し・税金まで見据えて進める

不動産売却では、「何となく不動産会社に任せる」のではなく、売主自身が判断できる材料を持つことが失敗を減らす第一歩です。

このサイト「家を売りたい.com」では、これから不動産会社の選び方、査定額の見方、媒介契約の違い、家が売れないときの対策、売却費用と税金などを、初めての方にも分かるように順番に解説していきます。


参考情報
・国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」
・国土交通省「不動産情報ライブラリ」
・国税庁「マイホームを売ったときの特例」

※本記事は一般的な不動産売却の流れを解説したものです。物件・契約・税務の状況によって扱いが異なるため、個別の判断は不動産会社、金融機関、税理士等の専門家へご確認ください。